夕べの喧騒が嘘のように静かな朝を迎えている。
真夏の早朝。
ひとり庭に下り立ち、深く息を吸う。
陽の光にはもう灼熱の力が漲り始め、
草木は夏の熱気を跳ね返そうと構える。
今のこの瞬間だ。
光と影の美しくもはかないコントラスト。
私はこの瞬間が好きだ。
葉陰から、そっと空を垣間見る。
束の間、私は周りの自然と一体になるのを感じる。
しかし瞬く間に、
太陽も空も、草も木も夏の時間を取り戻す。
私も我にかえり、重い腰を上げるが如くに
いつもの生活の中へと入っていくのである。
One of 99ers／房総の山中　Mid Summer 2005